いじめ被害者の“集団欠席宣言”に
投稿日:2007年4月5日 カテゴリ:今、ガブッと教育
3月23日、いじめを受けていた中野区立小学校4年生男子2人とその保護者らが、いじめを受けていることに対し、担任の教諭らが適切な指導を行なわなかったとして区などを提訴。区に対して「子どもが安心して学校に行けるように考え直してほしい」と「校内での安全が保障されるまでの間、別のクラスの児童も含む7人が集団で学校を休む」という“集団欠席宣言”をしていた。
ところが、4月4日。区が厳正な対応をとることを約束したために、和解が成立。
いじめの被害者側が登校停止を盾に、学校に対する安全配慮義務の遂行を迫るのは珍しいケース。被害者心情としては当然だろう。子どもを守る親の姿勢としても評価されてよい。
しかし、これが「相手の加害者を出席停止にしない限り登校を停止する」などと集団で迫ることに発展しては、問題は複雑化し、こじれることが危惧される。教育再生会議が加害者の出席停止を打ち出しているだけに、親が要求しかねない。そうなると、現場の手足を縛ることになり、創造的で多彩な実践を展開しづらくなる心配も出てくるのではないか。