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第14回:子どもが主役の街づくり① 世界第3位の実力!

投稿日:2009年12月28日 カテゴリ:教育insight

■視点を変えると楽しく実践できる

今回は、子どもを主役に少し視点を変えるだけで、地域における子育て実践例の紹介である。大切な教訓がたくさん。年をはさんで6回にわたって報告する予定。お楽しみに!

■家庭と地域と学校の連携の困難

「学校・家庭・地域の連携」

こんなスローガンをこれまで何回目にしてきたことか。このようなテーマをいただいて、私自身これまでどれだけ全国各地を講演して歩いたことか。

日本のどこでも、地域コミュニティーの復活を心がけ、地域の子は地域で守り育てようと努力している。

しかしながら、その思いや活動の多くが「あいさつ運動」であり、地域パトロールであり、「早寝・早起き・朝ごはん運動」と決まっている。文科省もこれらを「国民運動本部」まで設置して、「社会総がかり」で取り組むようリードしてきた。

安倍政権時代の教育再生会議がよく使用したキーワード、「社会総がかり」という表現は、いかにも威勢がよく、熱心で「気迫」に満ちているように受け止められがちなのだが、私にはあまりに事大主義的、強圧的に感じられて嫌いであった。このような「運動」が全国規模で展開されることに対する違和感も大きかった。全体主義国家の匂いさえ感じさえしたものだ。

そうかといって、地域ぐるみの子育ての大切さは、誰も否定すまい。それだけにもっと明るく、伸びやかな実戦モデルがないものかと案じ続けてきた。そんなところに、今回素敵な町にめぐりあうことができたのである。私が大喜びしたのは、言うまでもない。

今回はその報告である。

■住みよい都市“世界第3位”の実力!

「『住みよい都市づくり国際コンクール』で、当市は人口7万5千人超~20万人未満の部で世界第3位に輝きました」

市長の誇らしげな報告に、会場は拍手に包まれた。

そう、ここ各務原市は、「家族・地域・絆プロジェクト」を結成し、表面的な「子育て運動」としてではなく、「家族の価値再復興」という家族論を問う事業であり、「心豊かでたくましい子が創る美しい都市各務原」づくり、つまり、子どもが主役の町づくりに取り組んでいるのだった。その一定の成果を評価してもらうための国際コンテストへの参加だったようだ。したがって、他市の子育てと比べて基本となるコンセプトも発想もこれまでの「学校・家庭・地域の連携」とか威たけだけしい「社会総がかり」での子育て運動などという形式的運動論とはすっかり違うのだ。スタンスもアドバルーンの高さもまったく違う。「まちづくり」であり、それも「子が創る」町なのだ。

教育再生会議のような上から目線は一切ない。戦前の全体主義を思わせる事大主義もない。実にしなやかで「未来の宝である子どもたち、人と人との『絆』をたいせつにして、みんなの手で育てましょう」とあくまでも“優しい”のだ。それも決して無理をしていないところがいい。では、どこがどう他地域と違っているのか。

(1)広がる活動

■ひと味違う青少年健全育成会

青少年健全育成といえば、日本全国いたるところで「奮闘」しているものの、どこもパターン化に陥っているものだ。校区パトロールやあいさつ運動、ボランティアの地域清掃活動、交通安全指導、非行防止活動などと相場が決まっている。

各務原市も例外というわけではない。それなのに、一味も二味も違っていてホッと安堵させられるから不思議だ。この「不思議な安堵感」こそここの命なのかもしれない。ひょっとすると、それは「絆」をテーマに活動しているからかもしれない。

「通学路見まもり隊」のパトロール活動ひとつとっても、たとえば隊のおじいいちゃん、おばあちゃんたちとの「対面式」から始まる。ここで子どもたちに名前と顔を覚えてもらうのだという。

こうして心がつながり、「絆」ができた状態で子どもの見守り活動が開始される。年度途中では、楽しいレクリエーションやもちつき大会、お祭りへの参加など、地域の文化・レクリエーション、お祭り行事の一角もになっている。

単にパトロールをし、交通安全の旗を持つだけの活動ではないことが参加者の心を軽くし、活動を楽しく長続きさせている。積極的に参加しやすくさせているようだ。

(第2回へつづく)

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160318-0737

尾木ママ

誕生日:
1947年1月3日
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職業:
教育評論家、法政大学特任教授
臨床教育研究所「虹」所長
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NHK教育(Eテレ)「ウワサの保護者会」
(土曜21:30~21:54放送 ※MC)

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