書籍情報

子どもは、未来に向かって生きるもの

投稿日:2007年8月21日 カテゴリ:今、ガブッと教育

学校の耐震化やいじめの深刻化などが問題になっている中で、学校の「安全」が強く求められています。
最近のいじめは、携帯電話による「いじめメール」など、方法と質の変化という大きな特徴があります。京都大学大学院と全国高等学校PTA連合会が行った調査では、携帯電話のメール送信数が1日に41回以上の生徒は、5回以下の生徒に比べて男子で1.7倍、女子で1.4倍もいじめの加害者になる割合が高いという結果が出ています。
問題に積極的に取り組む学校も多くあります。神奈川県のある学校では、「携帯電話の電源を切る」などのルールのほか、「画面の向こうには、心を持った人間がいること」「メールに書いた言葉にも、責任を持つことなどの情報リテラシーを、PTAと共同で子どもたちに伝えています。このような取り組みが、子どもたちに自らを守る術を与え、「心の安全」を保障することにつながるのです。
また、子どもたちにとっては、学校は「先生」そのもの。友達関係ももちろん大事ですが、それを安全に確保するのが先生の役割です。何かがずば抜けてすごい先生ではなくても、一人ひとりの気持ちを大事にし、子どもの目線に立てる先生を、子どもたちは求めています。

先生や仲間がくれる「勇気」が大切

私が教員をしていたころ、よく忘れ物をする子がいました。どうして忘れたのと聞いたら、「先生、今日は手のひらに『習字道具』って書いて、前の日に準備して玄関に置いておいたのに、忘れちゃった」としょげるのです。そのとき、その子を叱る前に、「がんばったね。その努力が大事なんだよ」と褒めてあげると、忘れ物チャンピオンだったその子が、その後忘れ物をしなくなったんです。
できない子の気持ちをクラスの仲間が共有して、あたたかい眼差しを向けてくれたとき、不思議と、できないことができるようになるんです。仲間を信頼し、勇気が出るからです。
子どもは、未来に向かって生きるもの、そのために必要な力は「希望」です。大人の役割は、子どもの視点に立って、子どもたちが希望が持てるように導くことだと思います。

【子ども応援便り2007夏号、専門家インタビュー】

うちの子の将来と「学力」―親と一緒に考える

投稿日:2007年8月1日 カテゴリ:書籍

うちの子の将来と「学力」―親と一緒に考える

“いったいうちの子の将来はどうなるのか”“うちの子の「学力」は大丈夫なの?”
ニートやフリーター、ワーキングプア、過労死、「ネットカフェ難民」などという言葉を耳にするにつけ、親たちは強い不安に襲われる。
本書では、親からよく寄せられる「Q&Aコーナー」と、筆者自身の考えを述べる「講義」を通して、学力とキャリア教育、2つの側面から「うちの子の将来と『学力』」について、わかりやすく論じる。
新日本出版社(2007年8月刊行)

【定価:本体1,400円+税】

「新」教育基本法と私たち―新たな展望を求めて

投稿日:2007年8月1日 カテゴリ:書籍

「新」教育基本法と私たち―新たな展望を求めて

12月に改正された教育基本法は、教育にどのような影響を与えるのか。
「新」教育基本法の誕生プロセスから、新法のもとでいかに実践していくべきか、また、新しい状況下での実践論を著者が語っていく。
アドバンテージサーバー(2007年4月発行)
【定価500円+税】

“愛”は身体で表現

投稿日:2007年8月1日 カテゴリ:エッセイ

「あー、危ない!」
期せずして、発せられた数人の声。
私も、右手を差し出しながら、思わず一歩前へ踏み出していた。

つい最近の東京駅ホームでのことである。
まだ2歳になるかならない、よちよち歩きの、かわいいパーマ姿の女の子が、ホームべりにある黄色の誘導ブロック上にノコノコと出てきたからだ。

「お母さんは?」次の瞬間には、誰しもそう思ったに違いない。ところが「すぐに手を延ばしても届かないような、すぐ後ろ」に、何事もなかったかのような涼しい顔つきで、母親がつっ立っているではないか。

声を上げた大人だけではなく周囲の人たちも当然、母親がびっくりして
「○○ちゃん! 危ないでしょ! ちゃんとお母さんの手を握ってなきゃ」
と、叫びながらかけ寄って、わが子を抱き上げる。そして厳しく叱咤するものとばかり信じていた。

ところが、二度びっくりである。

母親は、何のアクションも起こさなければ、声一つ発しなかったのだ。子どもはといえば、相変わらず黄色の誘導ブロックの上にゆらゆら、つっ立ったままである。

「列車が入ってきたら、あおられて危ないのに―」。
初老の夫婦が、ハラハラしながら眉をしかめて不満顔。まだ、いつでも飛び出せる身構えを崩していない。実家にでも帰っていたのだろうか、母親の左手には布製の大きな手さげ袋。

入線のアナウンスが流れると、ようやく母親は空いている右手で、わが子の上着をつかんで自分のそばに引き戻した。

周囲の大人たちは、それを見て、やっと自分の世界に戻った。ホッと安堵の空気が流れた。とたんに、赤い電車がホームにすべり込んできた。

この間、わずか1分足らず。しかし私には、10分、20分もの緊張を強いられたような“疲れ”。何よりも激しい“憤り”を感じていた。
なぜ子どもの手をしっかりつなぎ、危険から身を守る母の姿と愛を伝えないのか。パーマをかけて、人形扱いのネコかわいがりをしている場合ではあるまい。

電車が動き始めると、急に私は悲しくなった。

(ないおん8月号)

新刊情報

160318-0737

尾木ママ

誕生日:
1947年1月3日
血液型:
A型
出身地:
滋賀県
現在の住まい:
東京
職業:
教育評論家、法政大学特任教授
臨床教育研究所「虹」所長
出演番組:
NHK教育(Eテレ)「ウワサの保護者会」
(土曜21:30~21:54放送 ※MC)

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