学力テスト-学校ぐるみの不正発覚!
投稿日:2007年7月10日 カテゴリ:今、ガブッと教育
7月7日(土)、足立区立S小学校では、4月に実施された区主催の学力テストで校長ぐるみの不正が明らかに。区教委は記者会見でわびた。文科省の銭谷真美事務次官も9日、「一般論として、学力調査は子どもたちの普段の学力を把握して指導の改善に生かすのだから、対象となる子どもたちを集計の対象から除くことは適切とは言えない」と批判(朝日新聞、7月10日付)。
以下のような概略。ここには学力テスト問題がかかえる“本質”が浮き彫りになっている。
- 校長を先頭に教師が机間巡視中に、誤答を指で示し正答に直させる。6人の教師の告発
- ADHDなど、多動性障害の児童の答案3枚を保護者の了解もとらずに抜いて区に報告
- テスト2~3週間前には「過去問」を徹底練習-9割が前年と同様の問題であった
- この結果、05年度は72校中44位だったものが、06年度は何と1位に
- ところが、07年度は問題ががらりと変わったら「実力」を発揮できず(?)これまた何と59位に転落
- 得点力と“順位アップ”作戦が結局は44位から59位へ「学力を落としていた」ことの意味は大きい。練習問題ばかりでは、正規の授業が進まず、必ずこのように学力低下を招く
- 全国一斉学力テスト(文科省)も、以上のような問題を抱えたことでは本質的に同じである
- 全国学力テストの実施方法も見直さないと、各地で不正があり、このままでは日本の子どもの学力低下、学校のモラル低下、子どもたちの教師不信が広がりかねない/li>
- 足立区は学校選択が自由なために、少しでも順位を上げ児童を確保しようとS校は考えたのだろう
- 足立区ではテスト上位校には予算も多く配分されるなど“競争原理主義”が貫かれている。早急に全国的に見直すべきだろう