日刊ゲンダイ(9月25日付)に尾木直樹のコメント記事掲載
投稿日:2009年10月1日 カテゴリ:コメント
自民腐敗政治 負の置き土産
日本の教育は崩壊してしまった。現在の惨憺たる状況を生みだした責任は、戦後50年以上政権を握り続けた自民党をおいてほかにない。
川端達夫文科相は、就任挨拶で「国民のいろいろな人の英知を集めて進めていきたい」と語った。文科省官僚や族議員だけで政策を決めた自民政権とは違って、開かれた中で政策を練るように変わる。
民主党は、公立高校の無償化、大学生への新たな奨学金制度創設など、教育に9000億円を投じる。また、地方自治体の首長が従来の教育委員会を兼務するなどの新施策も検討している。教育でも自民政権のツケを民主党が尻ぬぐいして立て直すことになる。
【尾木直樹のコメント】
日本の教育は、考え方の上でも制度の上でも“鎖国状態”にあります。
世界には、小学校から大学まで無料の国も少なくない。(中略)教育は“国の生命線”と最も重要な政策と位置づけているからです。ところが日本は、大学を無料化すれば、大学に行く人と行かない人の間で不公平が生じると、トンチンカンな平等主義を持ち出して平気でいる。とんでもありません。
教育現場をマーケットと見たて、競争原理を持ち込んだことで取り返しがつかなくなりました。国は教育にカネを使わないから、個人の責任で行えとした。これでは、高収入の親をもつ子どもが高学歴になっていくのは必然です。あっという間に格差が広がった。かつて日本は資源がなく、人材が資源だったといわれたが、小泉・竹中路線が教育の機会均等を奪い去り、教育現場を解体してしまったのです。