東京新聞(11月26日付)に尾木直樹のコメント記事掲載
投稿日:2009年11月27日 カテゴリ:コメント
事業仕分けで「大幅削減」 全国学力テスト 疑問再燃
来年度概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」で25日、全国学力テストが取り上げられた。文部科学省は全国の小学6年生と中学3年生のほぼ全員に毎年実施してきたテストを、40%の抽出方式にする方向で36億円を概算要求したが、仕分け人は「より縮小を」と、予算の大幅削減を求めた。
文科省担当者は、仕分け作業で「来年度から40%の抽出調査に切り替え、21億円の削減が見込まれる」と表明。「義務教育の水準を向上させる」「勝中学校のニーズもある」などと継続を求めた。
だが、仕分け人の藤原和博東京学芸大客員教授は、これまでの調査で自治体の順位にあまり変化がない点などを挙げ「5年に1度、大きな流れをつかめばいい」「統計上必要とされる6%のサンプル調査で済む」と指摘した。
【尾木直樹のコメント】
5年に1度、児童・生徒の6%実施で充分という指摘はその通りだ。テストをするだけでは学力は向上しない。
探究心を刺激し、どうして、なぜ、と考える子育て、自ら進路などの目標を定めて学力を付けるのが教育の本来の姿。今の日本では、学問の手段であるべき大学が目的そのものになり、大学受験で合格する学力が必要とされる。新政権にはこの悪循環からの脱却を目指してほしい。