読売新聞(7月16日付)に尾木直樹のコメント掲載
投稿日:2010年7月16日 カテゴリ:コメント
【尾木直樹のコメント】
〈直言〉角界 社会との接点増やせ
今回最も驚いたのは、スポーツの世界に身を置く力士たちが、同じスポーツである野球を舞台にした賭博に手を染めたことだ。真剣勝負が汚れた世界に利用されることに、抵抗を感じなかったのだろうか。
このように感覚がまひしてしまった背景には、大相撲が閉ざされた人間関係で形作られ、親方も力士も、社会から学ぶ場があまりにも少なかった事情があると思う。これを機に相撲協会は外部の人材を入れ、たとえば番付にファンの意向を反映させる、力士に積極的に社会貢献させるなど、お金は無くても相撲を心から愛する人たちと歩める組織に生まれ変わってほしい。
多彩な技がありながら、勝ち負けが明快。裸と裸がぶつかる気迫。スポーツとしての魅力あふれる大相撲を、このまま腐敗させてはならない。