モンスターペアレントとは何か
投稿日:2007年7月30日 カテゴリ:今、ガブッと教育
まるで“怪物のような親”として今、メディアで話題のモンスターペアレントとは何?
1.「理不尽な学校への要求」をしてくる親のこと
2.関西では「困った親」「イチャモン親」ともいう
2002~2003年のころから、とくに大阪から発信された
3.夫婦ともモンスターの場合“ダブルモンスター”という
4.5種類に分類できるのではないか
① 「わが子中心モンスター」=アルバムにうちの子の写真が少ない/学芸会の主役をやらせろ/クラスに気に入らない子がいる。別のクラスにしてほしい など-過保護、過干渉。何でももわが子中心
② 「ネグレクトモンスター」=呼び出しに応じない/日曜夜の10時に家庭訪問の要求/朝ご飯も食べさせない/遠足の弁当を作らないなど-放任状態が特徴
③ 「ノーモラルモンスター」=夜中の12時、1時にでも担任に電話をしてくる/深夜にメールを送信してくるなど-親自身の生活のくずれから正常と不正常の区別がつかない。消費至上主義社会の影響か。24時間サービス社会への慣れなのか。
④ 「学校依存モンスター」=朝起きないので毎朝起こしにきてほしい/共働きなので保健室で休ませてほしい(学級閉鎖の時)など-本来、家庭でやるべきことを学校に依存
⑤ 「自己権利主張モンスター」=ケータイをとりあげた日数の分、日割り計算で料金を返せ/休んだ1週間分の給食費を返せ/給食を頼んだ覚えがないので料金は払わない(=給食費未払い)など
-権利を主張
5.急増の背景は何か<2つの変化と社会性の欠如>
A.学校側の変化:
① 権威の喪失←親の高学歴化、学校外教育の充実、情報知識社会化
② 学校の商品化←学校選択の自由制度が保護者を消費者化した。
学校は毅然と対応できない
B.親の側の変化:
① サービス過剰社会における成育歴と生活
(消費者は王様/お客様は神様)
② 地域コミュニティの崩壊とメール文化⇒グルーピング&攻撃性強化を加速化(公園デビューのメール化)
C.両者の共通性:
① 多忙化/「選択と集中」の新自由主義思想の浸透(結果責任)
② 社会性の欠如
③ コミュニケーションスキルの低下(←メール)
6.克服のために-対症療法では「教師力」「人間力」を落とす
A.学校:
① 受容(受けとめ)と毅然とした姿勢の両立
(ものごとの価値判断を示し、 学校の方針を伝える)
② 日常的に親とのコミュニケーションを強化する
B.親:
① 学校にできるだけ顔を出す
② 親同士のコミュニケーションを大切にする
C.社会:コミュニティー論、未来社会学の観点から
※教育再生会議が提案する「学校問題解決支援チーム」での解決はリアリティに欠け、難しい。
「教師力」「人間力」を喪失する危険あり